カーテンの隙間から白い光が差し込んだら、「あぁ、また朝が来たんだな」と布団の中で思ってしまいます。
それと、同時に目覚まし時計がけたたましく鳴り響くので、「やれやれ」と重い体を引きずるようにして体を起こすのです。
最近は、「冬だっけ?」と首をかしげたくなるほどの暖かさのせいか、パジャマのままでキッチンに立ってもブルッと震えることもなくなりました。
のんきにあくびを1つしたら、いつものように鏡の前で顔を洗って、歯を磨いて、目の下のクマを見ては「何年も重なってできた疲れ、いや、勲章」と言い聞かせるのです。
勲章の下に人差し指を置いて、濃さをチェックしたら、いよいよ着替えに移ります。
朝、昼、夕方と移り変わる温度変化に加え、標高差を考えて、何を着て、何を鞄に入れておくか、車内に置いておくかを決めていくのが、ちょっとした毎朝の楽しみです。
今日は10分で着替え、持ち物の準備と決めて、ラスト10秒のギリギリセーフで完了できました。「やったね」と心の中で呟いて、小さくガッツポーズなんかもしてしまうから、朝から楽しいんですよね。
着替え、持ち物の準備と終わったら、いよいよ顔作りです。
乾燥が気になるのは、四季のどの時期もですが、季節に加え、年齢によって、乾きの度合いがひどくなってきてるなと思うようになりました。
保湿重視なので、導入化粧水を念入りにして、朝パックを開始、その間は録画しておいたテレビ体操をします。
ただ、10分したいパックですが、全ての体操に取り組むと仕事に遅れるなと思うと、半分しかできないのが運動好きの私にはもどかしく感じるところなんです。
不器用なので、パック時間にかけたい時間分、メイクに時間がかかってしかたがないんですよね。
さて、パックを剥がしたら、ちょっとした至福の時間の訪れです。
なぜなら、使っている保湿クリームの香りがイチゴミルクだからです。もう、指先につけた瞬間から、「甘い、癒される」と叫びたくなるくらい優しい香りなんです。
「私って、女子?」
「うん、女子、女子!」
と、朝から一人でテンションを上げてくれるアイテムでもあるから使わずにはいられないんです。
テンションを上げながら、ベースメイク、目の下のクマの濃さに合わせてアイメイクを施したら、一度メイクを中断します。
リップを塗る前に、朝ごはんを済ませてしまうんです。
ちなみに、今日の気分は卵だったので、不器用ながらに卵を巻き巻きして作った卵焼きを頬張りました。
あれ?よく考えると、ほぼ毎日、卵を食べている気がします。
それもそのはずで、私はとても不器用だからか、卵焼きも久しぶりに作ると形がつぶれてしまうんです。
だからか、もう容赦なく、卵を巻く練習をしなくちゃと、毎日卵焼き、3食卵焼きが続くことがあるくらいなんです。
というわけで、今日も卵焼きでしたね。
卵焼き以外のおかずは、ささっと口にかきこんだら、食器もささっと洗って、メイクの総仕上げです。
リップメイクはベースメイク、アイメイクの次に気を遣います。
私の唇はペタッと薄いので、いかにふっくらしているように見せるかがポイントだからです。
憧れの読者モデルさんが愛用しているといっていたリップを使用して、「目指せ、ふっくらリップ!」と、心の中で自分にエールを送ります。
時間も気にしながら、唇にのせるリップ、リップグロスの量を調節するのが、緊張の瞬間でもあります。
最後の一塗りを終えたら、鏡で全体をチェックして、メイクは終了です。
「お疲れさまでした」なんて、鏡の前で一仕事を終えたかのような安堵感を覚え、束の間、ボーッとしたら、「ハー」と重たいため息が代わりばんこのようにお出ましです。
「転職しようかな……」と、心の声が表に出たら、それはいってきますの合図なんです。
いつか、この仕事から離れる、そんな気持ちを持たないと、繰り出す戦場、いやいや職場で精神的に負けてしまうような気がするんですよね。
なんて、さっきまでの持ち上げたテンションはどこへいってしまったんだろうと思うくらい、急にテンションが下がってしまうのが、職場に行く直前でもあります。
部屋を出て、靴を履いて、ドアノブをがチャッと捻って、鍵をかけて、ドアに背を向けて、職場に向かって、歩き出す、その時間がメイク以上にかかるので、毎日、気が気ではありません。
とはいえ、「行かないわけにはいかない」と唱え、唱えながら、玄関まで行ったかと思ったら、今日はまさかの鞄を持たずに玄関まで来てしまったので、振り出しに戻ってしまいました。
玄関から鏡の前まで戻る足取りのなんと軽いことかと呆れるほどです。
また、再び、「行かないわけにはいかない」と唱え、唱えながら、玄関までやってきて、今度こそ、靴を履きました。
踵をトントンして、両足に力を入れて深呼吸をしたら、勢いよくドアノブに触れます。
今日は静電気が発生しにくいコーディネートだったためか、それとも手の平で勢いよくドアノブを握ったからか、どちらのためかはわかりませんが、バチッとやられることがなく外に出れました。
私占いではないですが、静電気がバチッとこなかった日は平穏無事に終われる気がして、そして、1日終わって思えば、トラブルもなく、過ごせたので、良かったかな、とホッとできるわけです。